H-Pモデル1/700 オランダ海軍 駆逐艦イサーク・スウェールス（1941年） 横から
H-Pモデル1/700 オランダ海軍 駆逐艦イサーク・スウェールス（1941年） 斜前から
H-Pモデル1/700 オランダ海軍 駆逐艦イサーク・スウェールス（1941年） 斜後から
◎艦名の由来
Isaac Sweers
英蘭戦争時の提督の名前より。
☆実艦解説
ゲラルド・カレンブルク級駆逐艦は、蘭印での日本の駆逐艦との戦闘を視野に入れ、武装を12cm砲5基、53.3cm四連装魚雷発射管2基に増強し、それまでのオランダ駆逐艦とは一線を画して計画された強兵装の駆逐艦でした。
ヤーロー社系列の駆逐艦の系譜を引き、ボフォース社製の武装と水上偵察機搭載能力を持つ、特色ある艦型として計画されましたが、1940年のドイツ軍のオランダ侵攻時、全艦未成の状態でした。
一番工事の進んでいたゲラルド・カレンブルクは自沈し、後にドイツ海軍駆逐艦ZH1として就役します。
次ぎに工事が進んでいたイサーク・スウェールスは、曳航されてイギリスに脱出し、イギリスで残工事を受け、1941年、10.2cm連装高角砲を主砲とする防空駆逐艦として竣工しました
竣工後、イサーク・スウェールスはH部隊、後に地中海艦隊に所属し、地中海の激戦に参加しました。
ボン岬沖海戦への参加、船団護衛など、激烈な任務をこなしましたが、惜しくも1942年11月13日、トーチ作戦に従事中、U431の雷撃を受け魚雷2発が命中、戦没しました。
乗員194名の内、108名が失われました。
作例は、1941年、10.2cm高角砲装備の防空駆逐艦として完成後の姿を作成しました。
◎イサーク・スウェールス 要目
基準排水量1,604tt 全長：107ｍ 垂線間長105m 最大幅：10.6ｍ 吃水2.8m
機関：ヤーロー缶3基 パーソンズ式オールギヤードタービン2基 2軸
燃料 重油560t 機関出力：45,000hp 速力：37.5ノット
乗員数：158名
兵装：10.2cm連装高角砲3基 40mmボフォース連装機関砲2基、12.7cm四連装機関銃2基、53.3cm4連装魚雷発射管2基
☆制作
作例は、H-Pモデルの、イサーク・スウェールス 1942年を元にしました。ただ、キットに同梱されていた船体がゲラルド・カレンブルク原型の別キットの船体で、上部構造物との不一致がありました。
また、資料では、ゲラルド・カレンブルク級原型の図面は、「ROYAL NETHERLANDS NAVY」にありますが、イギリスで完成後のイサーク・スウェールスの図面は、横からの図面のみしか見つかりませんでした。結局、写真中心の考証となりました。資料としては、上から3冊で十分と思います。
キットに側面図、上面図が付属していますが、両煙突間の船首楼から続く甲板形状がゲラルド・カレンブルク級そのままの広い形状で、間違っています。イサーク・スウェールスの場合、船首楼甲板はより前方が狭められ、艦載艇の位置が前進しています。
このままでは組み上がらないキットでしたが、結局、船体部分は同一であるので、船体上部構造物を削り、プラペーパー、プラ材とイサーク・スウェールスの上部構造物のレジンパーツを移植する形で組み上げました。
船首楼甲板は、甲板パーツ形状、長さなどが違うので、プラ板と瞬間接着剤で作成しています。
船体、上部構造物、艦橋ともに舷窓は0.6mmピンバイスで開け直しています。
細部部品は、艦載艇、ダビッド類はピットロード 日本海軍武装セットXより、40mmボフォース連装機関砲、魚雷発射管前のY字型のダビッド（旗竿を逆さに付けました）、ライフラフト、爆雷投射軌条はピットロード アメリカ海軍武装セットVより流用しました。10.2cm連装高角砲はタミヤ1/700 フッドの武装パーツより流用しました。12.7mm四連装機関銃は、タミヤ1/700 レパルスの武装パーツから流用しています。
前後のマストは、0.3mm真鍮線と0.2mm銅線で作り直しています。
電探類は、ライオンロアの、イギリス海軍WW2レーダーセットから流用しています。
艦番号、G83は、両舷、艦尾共にホークグラフィックスの第二次世界大戦イギリス海軍用デカールから流用しました。
艦尾軍艦旗は、キット付属の紙のオランダ軍艦旗を糊付けして使用しています。
☆塗装
塗装に使用した塗料は以下のとおりです。船体色はWW2イギリス海軍 507C、甲板色は海軍省指示のグレー単色を想定しています。
・船体色 グレーFS26440(325)
・喫水線色 タイヤブラック（137）
・甲板色 ニュートラルグレー(13)
・帆布張りブルワーク セールカラー(45)
・マスト、煙突頂部 セミグロスブラック(92)
・艦載艇内部、タン(44)
かっこ内はミスターカラーのナンバーです。